むかしむかし、このデイクヤードに科学者たちと魔術師たちが居ました。 彼らはお互いを見下し、憎み、敵対し続けました。 それは新たに転生してくる者たちにも受け継がれ、何時しかそれは戦争にまでなろう、という所までに。 そんな所に、とある兄妹がこの世界に転生してきました。 兄は、天才的な科学者でした。そして、妹には魔術の才能が有りました。 当然、兄妹は爪弾き者となり、逃げる様に遠くの地へと移り住みました。 ある日、一人の男が兄妹の住む家の近くに転生してきました。 彼は記憶を失っており、兄は彼を自らの弟子として迎え入れる事にしました。 またある日、一人の女が兄妹の住む家を訪れました。 彼女は自らを死す事なくこの世界に辿り着いた魔術師と言い、兄を運命の人として探し求めていたと言いました。 兄妹と男は困惑しつつも、彼女がこの家に住む事を認めました。 そしてある日、4人の男女が彼らの家の扉を叩きました。 2人は科学者の男女、もう2人は魔術師の男たち。彼らは今にも戦争が始まりそうな地から逃げ、旅をしていた所偶然出会い、共にここまで来たと言いました。 兄妹と男と女は彼らにここに留まる事を勧め、彼らもまたそれに同意しました。 こうして集まった8人はお互いに意見交換をし、科学と魔術について何度も議論を続けました。 そして何度も実験を重ね、幾つもの偶然が重なり、一つの合成物質を生み出しました。 ありきたりな物質と、これまたありきたりな魔導物質の合成体です。 彼らはこの世紀の発見をどうするべきか悩みました。秘められた無限の可能性は、発展にも破滅にも、どのようにもなるからです。 それから数日後、彼らは傷だらけの男女を保護しました。 2人は科学者と魔術師で禁断の恋に落ち、どうにか命からがら此処まで逃げて来たのだと言います。そして、ついに戦争が始まった事も語りました。 8人は話し合い、合成物質をこの戦争を終わらせる為に使う事を決め、恋人達も合流し、一つの組織を結成しました。 それから合成物質を研究し、更なる物質を作り出し、幾つのも装置を作り出しました。 何時しか組織は噂になり、彼らの元に何人もの刺客が送り込まれましたが、返り討ちにし、逆に仲間にしていきました。 そしてどんどん仲間は増え、何時しか戦争は彼らが止める前に終わっていました。 そして平和を手にした彼らは何時までも幸せに───暮らすことは叶いませんでしたとさ。