ドアから現れたのは、親友の一人、星街すいせいだった。そらは一瞬、 安心の息をつく。 「あの――」  助けを求めようとした瞬間、すいせいの顔が変化する。カッと目を見開 き、瞳孔が収縮し、口元がニヤリと歪む。 「すいちゃん……?」  異様な姿に、そらの声が震える。  バタン! ガチャリ――  すいせいは乱暴に後ろ手でドアを閉め、鍵をかける。 「ど、どうしたの?」そらの問いに答えることなく、すいせいはハァーッ、 ハァーッと息を荒げ、まるで獲物を捕らえる獣のようにジリジリと距離を 詰めてくる。 「すいちゃん…怖いよ…!」  そらは後ずさるが、ゴキブリが子宮で蠢く感覚に足がすくむ。 「そらちゃんなら話が早いわ」  すいせいの声は低く、どこか狂気を帯びている。彼女はスカートを雑に まくり上げ、股間を露わにする。 「ど、どうし……え!?」  そらの視線が、すいせいの股間に釘付けになる。そこには、どこかで見 たようなヒモのようなものがぶら下がっていた。 ――へその緒だ。 「えへへ…私のは死んじゃった」  すいせいは無造作に、自身の股間から垂れるへその緒に繋がれた小さな ゴキブリの死骸をポイと投げ捨てる。そらの目の前で、ゴキブリの死体が 床に転がり、乾いた音を立てる。 「すいちゃん…!?何!?」  すいせいの瞳が、そらの子宮で蠢くゴキブリに注がれる。 「そらちゃんの…生きてるじゃん。いいな、ずるいな…」  彼女の声は嫉妬と欲望に濡れ、そらの心に新たな恐怖を刻み込む――。  仮眠室の空気は重く、蛍光灯の冷たい光が、ときのそらの震える身体を 照らし出す。子宮で蠢くゴキブリの産卵が続く中、彼女の心は恐怖と絶望 に塗りつぶされていた。目の前には、親友のはずの星街すいせいが、狂気 を帯びた瞳でそらを見つめる。すいせいの股間から垂れるへその緒と、床 に転がるゴキブリの死骸が、事態の異常さをさらに際立たせていた。 「すいちゃん…!?何!?」  そらの声は震え、涙が頬を伝う。  すいせいの唇が、ゆっくりと歪む。 「ねえ、『それ』、『貸して』よ。」  その言葉は、まるで日常の軽いお願いのように響く。だが、「それ」が そらの子宮に巣食うゴキブリを指していることは明白だ。 「貸して…?」  そらの頭は混乱で爆発しそうになる。 「意味わかんない…!すいちゃん、何!?」  すいせいの瞳は、まるで獲物を捕らえた捕食者のように輝く。 「そらちゃんの…生きてるじゃん。いいな、ずるいな…」  彼女の声は嫉妬と執着に濡れ、まるでそらの子宮そのものを奪おうとす るかのようだ。そらは直感的に悟る。 ――すいちゃんがおかしくなった。気が狂ってる。 「す、すいちゃん…やめて…!」  恐怖のあまり、そらはへっぴり腰でベッドの端に這うように逃げようと する。  だが、すいせいはそんなそらを許さない。 「いいじゃーん…返すんだからさぁ~。貸してよ~!」  その声は甘く、しかし底知れぬ狂気を孕んでいる。すいせいは猫がネズ ミを追い詰めるように、ジリジリとそらに迫る。仮眠室の狭い空間が、ま るで狩猟場と化す。 「ヤダっ…ヤダ!」  そらは叫ぶが、それはゴキブリの産卵、すいせいの狂気、この異常な状 況すべてへの拒絶だった。  すいせいの目がカッと見開く。 「貸すのが嫌だって!?」  そらの叫びを誤解したすいせいは、激昂する。  「返すって言ってんだろ!」 一気に距離を詰め、そらの腕を乱暴に掴む。 「ひっ!」そらが悲鳴を上げるが、すいせいの力は容赦ない。ゴキブリの 蠢く子宮の痛みと恐怖で弱ったそらは、抵抗もできずベッドまで引きずら れる。 ビリビリッ――ピンクのフリルが愛らしいそらの衣装が、激しい音を立て て裂ける。 「痛い!」  そらは苦痛に顔を歪めるが、すいせいは悪びれる様子もなく冷たく言い 放つ。 「さっさと貸せばよかっただけじゃん。」  すいせいの手が、そらのスカートとパンツに伸び、雑に引き剥がす。 「キャア!」  そらは叫び、反射的に足を閉じようとする。女の子同士、風呂場で無防 備な姿を見られることはあっても、こんな乱暴に、欲望に満ちた視線で 「見られる」ことなどなかった。だが、すいせいの視線は、そらの身体に は一切の興味を示さない。彼女の目は、そらの股間――わずかに膣口から はみ出す、ゴキブリと繋がるへその緒にのみ注がれていた。 「へへへ…アタリ」  すいせいは不気味に笑い、へその緒を軽く引っ張る。 「ひゃっ!」 そらの子宮が引っ張られ、ゴキブリの蠢きがさらに激しくなる。 「や、やめて…!すいちゃん、お願い…!」  そらの懇願も虚しく、すいせいの動きは止まらない。彼女はそらの足を 強引に開き、まるで獲物を解体するように冷酷に扱う。 「やだ…見ないで…!」  そらの声は嗚咽に変わるが、すいせいの執着は増すばかりだ。  すいせいは自らのスカートを脱ぎ捨て、そらの前に跪く。彼女の股間に は、死んだゴキブリと繋がるへその緒が、粘液に濡れてぶら下がっている。 すいせいはそのへその緒を乱暴に掴み、グイッと力強く引っ張る。 「んっ…!」  彼女の顔が一瞬歪むが、すぐに狂気の笑みが戻る。 ヌルリ――  へその緒に繋がれた胎盤が、すいせいの股間から引きずり出される。ゴ キブリの死骸とともに、粘液に濡れた胎盤が床にドロリと落ち、不気味な 水音を立てる。 「ふふ…これで準備完了!」  すいせいは満足げに笑い、そらの足をさらに開かせ、自身の股間をそら の秘部に近づけ「借りるね?」と「貝合せ」の姿勢を取る。